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10−1、 「気候と病気」その関係は?
 「関節が痛むから、明日あたりは雨かな?」「朝晩冷え込む時期になってきたから風邪をひかないように」「季節の変わり目は何となく体調が良くない・・・」普段の会話の中でも、何気なく交わされているような内容です。
 むかしから、様々な気象条件(気温、湿度、気圧など)が身体の働きや病気に何らかの影響を与えることは、経験的にも知られていました。そして、現在では、その影響に関して「生気象学」という専門的な分野が設けられ、詳しい研究が行われています。
 そこで、今回は天気と病気の関係について見てみることにいたしましょう。

[喘息と高気圧]
 気象庁と某医科大学が、東京都内のある患者さんの1年分の発作記録について行った調査によりますと、最も発作を起こしやすい気圧配置として次のような特徴が見られました。
・朝鮮半島から移動性の高気圧が張り出してきて日本海まで来た時
・台風が来る前に、高気圧が日本上空をすっぽりと覆っている時
 このように統計的な面から、喘息発作を起こす要因として、「高気圧」の接近が深く関係していることが分かります。又、喘息発作の最も多い季節は秋(特に9月頃)と言われています。これは、この時期の激しい気温の変動や煩雑に通過する寒冷前線が影響しているのです。
 随って、喘息発作の予防対策には、高気圧の動きや発作の頻発する季節を知っておくことも必要です。

[神経痛と低気圧] 
 ある研究所が、慢性神経痛ラットを使い、気圧の変化が痛みに対してどのような影響を与えるかといった実験を行っています。その結果、気象変化でも起こりうる変動差で気圧を下げると痛みは増加し、大気圧に戻すと痛みが治まることが分かったのです。
 さらに気圧を下げた時、「血圧と心拍数の上昇」や、「血液中のノルエピネフリン(交感神経伝達物質)濃度の上昇」も見られたということです。つまり、低気圧が近づき天気の状態が悪くなると、交感神経が興奮し、痛覚神経が刺激され、神経痛の痛みが増強されるというわけです。
 このように気圧の変化は、自律神経の働きに影響を与えますが、その影響が強いと、自律神経を司るホルモン系までもが崩されることになって、結果、身体全体に様々な症状を呈してしまうことにもなるのです。

[風邪と低湿度・低気温]
 風邪は1人あたり年間に5〜6回ほど引くとも言われておりますが、、寒い時期になると流行する傾向にあります。これはまず、「湿度の低さ」が関係しています。冬は空気が乾燥しやすく、低湿度を好む風邪ウイルス(インフルエンザウイルスなど)にとっては最適な環境になります。
 また暖房により湿度がさらに低下すると、1日経っても1割のウイルスが浮遊し続け、落下したウイルスも再び舞い上がってしまい、ウイルス感染を助長させることになるのです。さらに「低気温」が宿主の人間に与える影響も絡んできます。気温が下がると、のどの粘膜の血管が収縮して貧血状態となり、抵抗力が落ちてしまいます。すると、簡単にウイルスの進入を許す結果を招くのです。
 この様に、様々な気象条件が人の健康に影響を与えるという点について考慮しておくことも、病気を治療する上では大切な要素となります。とくに慢性病の治療は時間を要し、快方に向かってはいるものの、気候などに左右されながら良い状態と悪い状態を繰り返すことも少なくありません。
 このようなことを参考に、もし治療の過程で症状が悪化した場合などには、その時の気象条件の変化を分析してみることも必要となるかもしれませんね。


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