| 8−1,鼻(はな)はだ困る夏場の不摂生 |
8月7日は何の日かご存じですか? 日本耳鼻咽喉科学会がしょうわ36年に「はな」の語呂合わせから「鼻の日」と制定したそうです。 しかし、この日は単なる語呂合わせから生まれたと言うよりも、漢方の視点から見れば、この日を含めた夏場は鼻に悪影響を与えやすい季節と考える方がよいようです。 その理由は、漢方の考え方の一つである陰陽五行説からきています。この陰陽五行説とは、自然界に5つの元素(木・火・土・金・水)があり、この5つの元素が互いに助け合ったり、邪魔し合ったりしてバランスを取り合っているという考えです。 そして、この考えは人間が自然界で生きていく上でも非常に役立つことから、各元素に体内の臓器や気候・季節などを当てはめ、病気などの改善や養生法に利用しようとしたわけです。 この病気の改善・養生方法のルールに「実する時はその子を瀉し、虚する時はその母を補せ」というものがあります。 これを鼻の養生に当てはめますと、鼻が属する「金」を生み出した母親である「土」、また「金」の子供である「水」にそれぞれ属する臓器の調子を整えなさいということを意味しています。 つまり、「土」に属している臓器の脾・胃(胃腸)、水に属する臓器の腎・膀胱の調子を整えることが鼻の調子を整えることになるわけです。 ところが、この「土」には、季節の「土用(土用の鰻が有名です)」と湿気が多いという意味で「湿」が割り振られています。
これは夏バテを思い浮かべて頂ければ分かりやすいのですが、夏場の気温・湿度の高さが、胃腸の調子を崩して、食欲不振などの症状を起こしやすくするというものです。 そのうえ、現代では暑さをしのごうと冷たいものだけではなく、清涼飲料水などの水分も摂りすぎる傾向にあり、胃腸以外にも体内の水分代謝の要である腎臓に大きな負担を与えてしまいます。 よって、季節的な要因だけではなく、普段の私たちの不摂生が加わりやすいこの時期は、胃腸・腎臓などの調子を乱れさせ、ひいては鼻に悪影響を与えてしまうことになるのです。 この夏場の季節と鼻の関係がお分かりいただけたでしょうか。さらに、鼻の属する「金」の季節は秋であることから、秋に鼻の病気を引き起こしやすいと言えます。そうしますと、夏場の鼻への悪影響が、秋には鼻の病気を引き起こしたり、悪化させてしまうことにもつながります。 この季節、冷たい食事や水分を摂りすぎずに胃腸を大切にして、鼻への養生をしてみるのはいかがでしょうか。
2003/8 p64
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