
| 1-1.冬の高血圧症 |
1年のうちで最も寒い季節がやってきました。寒さや暑さなど気候の変化は、病気の状態にさまざまな影響を与えますが、とくにこの時期、寒さの影響を受ける病気の一つに高血圧症があります。血圧は、夏に比べて冬のほうが高くなりやすく、冬は血圧の急上昇による脳卒中や心筋梗塞などの合併症が最も多く発症する時期です。 そこで今月は、「冬の高血圧症」をテーマに、その原因や冬場の高血圧対策についてお話しします。 ■冬に血圧が高くなる理由 ~1年の血圧変動~ 血圧が正常な人は、冬に血圧が高くなっても20mmHg程度ですが、血圧が高い人ほど寒さによる血圧上昇が大きく、40-50mmHgも高くなることもめずらしくありません。 冬に血圧が高くなる理由には、身体の防御反応が関係しています。人間の身体は寒さを感じると、熱を逃がさない工夫として交感神経を働かせて血管を収縮します。そのため、寒い冬には血圧が高くなるのです。 逆に夏は、体温を下げるために血管が拡張し、さらに汗によって水分が体外へ出ていくので、冬に比べて血圧が低くなります。 ■血圧が高くなる理由 ~1日の血圧変動~ 血圧は、季節による変動だけでなく、1日の中でもさまざまな行動に応じて変動しています。中でも、血圧が高くなりやすいのは次のような時間帯です。 ●起床時 一般に、睡眠中は身体をリラックスさせる副交感神経が働いており、血圧は低くなっています。そして、目が覚める頃になると、身体を活動させる準備として、交感神経の働きが強くなります。交感神経は、血管を収縮させ心臓を活発に動かすため、起床直後は血圧が高い状態となります。 ●入浴時 入浴の際は、脱衣所・洗い場と浴槽内の温度差が大きいため、血圧の変動も大きくなります。熱いお湯につかっているときは血管が拡張して血圧が下がっていますが、寒い脱衣所・洗い場に出ると血管が収縮して血圧が上がります。 他にも、精神的・肉体的ストレスがかかったときには交感神経の反応性が高まって血圧が上がります。また、食事中や、排便時にいきんだときなどにも血圧は高くなります。 ■冬の高血圧対策 冬は、寒さによって血圧が高くなっているため、日常生活での急な血圧上昇が重大な合併症を招きやすくなります。そこで、冬の急な血圧上昇を防ぐ養生法を、血圧が高くなりやすい時間帯ごとに見ていきましょう。 ●起床時 1日の中でとくに血圧が上がりやすい起床時には、暖かいふとんの中と寒い寝室の温度差が大きいと血圧変動も大きくなるため、寝室を暖かくしておくなど温度差を小さくする工夫が必要です。 また、急に活動を始めると血圧も急に上昇します。朝はゆったり行動できるように余裕を持って起きると良いでしょう。 ●入浴時 入浴時は、脱衣所・洗い場と浴槽内の温度差を小さくするため、脱衣所や洗い場をあらかじめ暖めておいたり、お湯の温度を40度前後のぬるめに設定したりします。 また、入浴中に汗をかくと血液がかたまりやすくなり、血管が詰まる原因になりますので、充分な水分補給も大切です。 ![]() ●運動時 高血圧症を解消するために運動療法を行っている人は多いですが、運動をしている最中は血圧が高くなるため、冬の運動は慎重に行う必要があります。 暖かい日中に運動する、室内でできる運動をする、暖かい服装を心がけるなど、寒暖の差を避ける工夫をしながら運動することが効果的です。 |
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